大手ハウスメーカーと工務店の大きな違いは何ですか?

大手ハウスメーカーは量産を前提とした商品化住宅を販売する会社です。

大手ハウスメーカーは量産を前提とした商品化住宅を販売する会社です。飲食店に例えるならファミリーレストランと言えるでしょう。特別なものはないけれど、より多くの人たちに選ばれるよう、安心できる工夫が随所に見られます。明るく綺麗な店構え、写真付きで料金体系が明瞭なメニュー、笑顔が素敵なホールスタッフ…家族連れにはとても有難い存在です。概してイメージはとても良いです。しかし、見えないところに不安な要素もあります。生産効率や利益を重視するため、厨房ではチンして盛り付けるのが主。食材を綺麗に見せるため、あるいは保存のために添加物を使うこともあるでしょう。原価率を下げるために加工品や類似品で代用するところもあります。もちろん安全基準は守っているでしょうし、これは価格訴求という消費者のニーズに応えようという企業努力の結果ですから、すべて悪いとは言い切れません。このようなことはどんな業種でも同じことが言えます。販売数を重視する大手企業の宿命です。

一方、工務店は様々です。庶民の味方の大衆食堂もあれば、大人の隠れ家レストランもあります。寿司屋に蕎麦屋にイタリアン…各店ごとにこだわりが違います。料理一筋の職人の店で笑顔の接客など望めませんし、料金も分からない店があります。知らないと怖くて行けません。しかし、そこでは素材に対するこだわりや料理人の誇りを感じることができます。一方で、店によって目指すものが違い、品質レベルの差が大きいとも言えます。当たりもあればハズレもあります。

特別な人と特別な日に予約したくなるのはどちらでしょう?ミシュランで星を獲得するのは大手チェーン店ではなく零細レストランです。どちらも一長一短で、優劣があるわけではありません。何を望むかで行く店が決まるのです。美味い蕎麦が食べたい時は蕎麦屋に行くのがお勧めです。